オダサク未発表脚本が奇妙な映画に
“オダサク”の愛称でも親しまれる昭和の小説家・織田作之助は、「夫婦善哉」に代表されるとおり故郷・大阪の風俗や人情を描いて名高く、太宰治や坂口安吾と同じく無頼派とも呼ばれた。そんなオダサクの映画脚本「あのひと」が大阪・中之島図書館で発見されたのは2012年のこと。第二次世界大...
園子温&神楽坂恵が舞台挨拶に登場
「ひそひそ星」の公開に合わせ、監督の園子温と妻で主演の神楽坂恵が、園の故郷・愛知の上映館・名古屋シネマテークに来場。舞台挨拶を行った。同館には多くのファンが詰めかけ、熱心な質疑応答を展開。急きょサイン会も開催され、場内は「おかえりなさい」ムード一色に染まった。...
25年前の“彼”から届いた未来の映画
またひとつ“園子温らしい”映画が誕生した。監督最新作「ひそひそ星」は、モノクロームを基調とした映像美の中に、現在の福島の風景を収めたSFファンタジー。園が福島を扱うのは「ヒミズ」「希望の国」に続いて3度目だが、構想25年とうたわれる本作と東日本大震災以降の福島とはどのように...
名建築の鼓動が聴こえてくる
このところヴィム・ヴェンダース監督には「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」など、ドキュメンタリー映画の優れた作品が続いている。かの鬼才が今度はオムニバス・ドキュメンタリー「もしも建物が話せたら」を製作総指揮。自身も短編...
五十嵐匠監督が貫いた嘘の流儀
重松清の同名小説を映画化した「十字架」は、五十嵐匠らしい嘘の流儀に貫かれた作品だ。「地雷を踏んだらサヨウナラ」「長州ファイブ」ほか実在の人物に取材した作品で名高い五十嵐監督だが、最新作「十字架」は第44回吉川英治文学賞にも輝いたフィクションを原作としている。そこにはどんな経...
広末涼子が「はなちゃんのみそ汁」への想いを語る
がんのため33歳で夭逝した安武千恵のブログを基とするエッセイ「はなちゃんのみそ汁」は、発売以降さまざまに反響を呼び、関連書籍やテレビドラマを生む一方、教科書にまで取り上げられた。そして今度は同名の映画となって、かけがえのない時間がよみがえる。来年1月の公開に先駆け、主演の広...
橋口亮輔監督最新作に日本の精神の水脈を想う
絶賛を浴びた「ぐるりのこと。」から7年ぶりに、橋口亮輔が長編監督作を発表する。オーディションとワークショップを通じて見いだした未知数の新人たちを主要キャストに配し、鬱屈した日本の現在と向き合う映画「恋人たち」。公開に先駆け、橋口監督に話を聞いた。...
監督・大森一樹 × 主演・松坂慶子によるオトナの悲喜こもごも
ベテラン・大森一樹が意外にも松坂慶子と初めて現場を共にした監督最新作を公開する。小松みゆきの同名著書を原作に、日本・ベトナム合作で生まれた映画「ベトナムの風に吹かれて」は、松坂が演じるハノイ在住の日本語教師・みさおの奮闘を描いた物語。異国情緒の漂うなか、母親の介護や女性の自...
バレエ男子の青春ドキュメンタリー
世界中に優れた男性バレエダンサーはいるけれど、ジュニア世代では男子の存在はまだまだ少ない。圧倒的多数の女の子たちに交じってバレエに励む男の子の夢や心情は様々だ。そんな“バレエボーイズ”に迫ったドキュメンタリー映画が、北欧ノルウェーから登場。...
ゴキゲンな名曲の陰にあった真実
夏真っ盛りの8月、この季節の代名詞とも言えるグループ、ザ・ビーチ・ボーイズを題材にした映画が公開されている。中心的存在ブライアン・ウィルソンを主人公にした「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」は、ちょっと謎めいた展開にもドキドキしながら、ブライアンの知られざる真実に驚く伝...