寺田農が信玄の父「信虎」を怪演
平成「ガメラ」シリーズや「デスノート」の金子修介監督、歴史美術研究家・宮下玄覇の共同監督・脚本による映画「信虎」が公開される。主人公の戦国武将・武田信虎を演じるのはベテラン俳優・寺田農。信虎は武田信玄の父に当たるが、その信玄から甲斐(山梨県)を追放され、駿河(静岡県)の今川...
国策映画を作った父の真実を求めて
第二次世界大戦下では芸術家が自国のプロパガンダに加担した事実がいくつもある。特に映画は「国策映画」という言葉が一般に知られ、日本も力を注いだ。伊勢真一監督「いまはむかし」は、インドネシアで国策映画に携わった父・伊勢長之助の足跡をたどるドキュメンタリー。戦前戦後に渡り記録映画...
人類の想像力が悲劇の抑止力になると信じて
松村克弥監督による「祈り-幻に長崎を想う刻(とき)-」が戦後76年目の8月に公開される。原作は田中千禾夫(たなか・ちかお)の戯曲「マリアの首-幻に長崎を想う曲-」。長崎生まれの田中が1959年に発表した同作は、故郷・長崎でそれぞれの戦後を生きる人々の群像劇だ。プロデューサー...
良いことも悪いことも“のさり”と受け入れる天草地方の精神性を活写
ドキュメンタリーでも定評のある山本起也が映画「のさりの島」を監督した。同作は「おくりびと」の脚本や熊本県PRキャラクター「くまモン」の生みの親で知られる小山薫堂プロデューサーのもと、熊本・天草地方で撮影。天草の文化因習が作品に色濃く反映されており、独特な時の流れや空気が観る...
地方政治の腐敗を暴いたローカル局が、次は映画で闘う
富山県のローカル放送局、チューリップテレビがドキュメンタリー映画「はりぼて」を製作。今月から全国で公開する。本作は、2016年8月に同局がスクープした富山市議会議員の政務活動費に関する虚偽報告に端を発し、次々と明らかになる市議会議員の不正と辞職ドミノをとらえたテレビ番組「は...
ある家族と労働闘争の実話が現在に重なって見えてくる
「ハチ公物語」「遠き落日」の神山征二郎監督が記念すべき30作品目となる映画「時の行路」を完成させた。田島一の同名著書と「続・時の行路」「争議生活者」を原作に、実際に起きた労働闘争とそれに書き込まれていったひとつの家族を描く社会派の一本。舞台は2008年だが、奇しくも日本の現...
大森立嗣監督が〈生〉の根源を問う衝撃の青春映画
恐るべき新人のYOSHIに、菅田将暉と仲野太賀。YOSHIは弱冠16歳、菅田、太賀も20代という若き俳優3人が、大森立嗣監督の原点を見るような激しすぎる青春映画で暴発しまくっている。大森が約25年前に書いた処女脚本にあたる「タロウのバカ」は、理解しがたい暴力の連続でありなが...
前田敦子の抱える孤独を輝かせた、黒沢清監督の最新作
世界的に人気の黒沢清が監督・脚本を手掛けた最新作「旅のおわり世界のはじまり」は、ちょっとドキュメンタリーのような感触を持つ映画だ。「散歩する侵略者」など過去にも黒沢作品に参加してきた前田敦子が主演を務め、かつてのシルクロードの要所ウズベキスタンで1カ月の滞在撮影に挑戦。監督...
「こどもしょくどう」は現代日本の誰にとっても無関係じゃない!
日向寺太郎監督の最新作「こどもしょくどう」は、昨今かなり周知された〈子ども食堂〉を題材にしているが、ドキュメンタリー映画ではない。家庭の事情などで安定した食事を取れない子たちの拠り所として生まれ、いまや地域コミュニティの交流所ともなってきた〈子ども食堂〉は、核家族化や貧困問...
戦中の実話を戸田恵梨香&大原櫻子W主演、平松恵美子監督で映画化
「疎開保育園」という言葉を初めて聞いた。第二次世界大戦末期、東京の保母たちが独自の判断で園児を連れて集団疎開した偉業。この実話をもとに「あの日のオルガン」は製作された。あまり知られていない歴史の映画化について、監督・脚本の平松恵美子に聞いた。...