映画「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」に考えさせられること多し
試写を観た帰り道、元の職場の後輩であり美術の紹介屋としては先輩に当たるS嬢と感想を語り合った。彼女いわく「よう喋る映画やったね」と。確かに同感。主役となっている美術館には「静寂な空間」というイメージがあるだろうし、また、ビジュアルを楽しむという面も予想されるだろう。しかし、...
肉食系女子と言わないで。恋愛映画「トレヴィの泉で二度目の恋を」
今年のバレンタインデーに、なんともキュートな恋愛映画が公開される。主役の恋人たちは人生の老境にある男女。ふたりは、時に年輪を感じさせるウィットに富んだ会話を交わし、時に若者のような青く甘酸っぱい行動に走るので、観る側はそのキャラクターに翻弄され、魅了されてしまう。 ...
騙しの世界も進化!? 「だまし絵Ⅱ」内覧会レポート
1月10日(土)から名古屋市美術館にて「だまし絵Ⅱ」が開幕した。同展は、2009年に東京・名古屋・神戸で開催された「視覚の魔術―だまし絵」の続編。前回は20万人以上が名古屋市美に来場し、展覧会全体では75万人以上を動員するほど好評を博したことから、パート2が実現した。そこで...
時代に抹殺された英雄を甦らす――映画「ジミー、野を駆ける伝説」
「麦の穂をゆらす風」「天使の分け前」などで知られるイギリスの名匠ケン・ローチが、アイルランドの知られざる英雄を題材にした映画「ジミー、野を駆ける伝説」を監督。日本でも間もなく公開される。実在の人物ジミー・グラルトンの社会的闘争を描いた物語には、政治や経済、宗教とともに、人間...
avecビーズ「トワイライト アット タイム」を妄想して戦慄
劇作家・北村想の書き下ろした「トワイライト アット タイムーtwilight at timeー ~この黄昏よ~」が、ひまわりホールにて上演される。演出はキャストのひとりであり、プロジェクト・ナビ時代から北村作品を熟知している小林正和が務め、制作も順調の様子。取材日はちょうど...
映画「TATSUMI」に 秘めた怒りを見る
少し前に紹介したアンソニー・チェン監督「イロイロ」とはまた趣向の異なるシンガポール映画が日本に上陸。いや、上陸というより、帰還の方が正しいか。エリック・クー監督が初めて挑んだアニメーション映画「TATSUMI マンガに革命を起こした男」は、「劇画」創始者のひとりにして名付け...