神田京子の真打昇進に イマイケも万歳三唱!!!
岐阜県美濃市出身の講談師・神田京子が2014年5月、真打に昇進。東京の主要な寄席に始まり、各地での真打披露興行を経て、ついに名古屋へやってくる! しかも会場は、因縁深き(!?)千種文化小劇場=ちくさ座だ。さかのぼる2月、ここで京子は気鋭ミュージシャン集団「オルケスタ・リブレ」による劇音楽「三文オペラ」の狂言回しを務め、観客を大いに沸かせた。同時に、主催した今池商店街とも親交を深めたことから、ちくさ座での真打披露興行につながったというワケ。 「下積み時代が長く、特に二ツ目時代は相当いろんな世界の方々からかわいがっていただき、ありがたい限りでした。それだけに、この真打披露興行は感謝祭、御礼奉公のつもり。応援してくださった方にしっかり報告するとともに、収穫祭としてご覧いただければ……」と京子。 まずは感謝、お礼の言葉を口にする一方、こんな想いも語る。 「いろんな地域ともっと密接に絡んだことをやりたいって気持ちが強まってるんですよ。今は既成のやり方に興味がなくて、この真打披露も、本当にお世話になった人に目の前で挨拶したいだけなんです。もちろん、そこに新しいお客さんもいてくださったら嬉しい」 東日本大震災以降、夫で詩人の桑原滝弥と被災地の仮設住宅を訪れては「夫婦ライブ」を敢行してきた京子。「エンタテインメントは過渡期にきている」という言葉にも生々しい実感がこもっている。ただし、地域との関わりとは必ずしも被災地をイメージしているわけではなく、以前には、シャッター街と化してしまった商店街で何かできないか考えているとも語っていた。そう思うと、「いつもこうこうと明かりの照っている時代、状況じゃない」という言い回しにも、単に電力供給の問題だけではない含みを感じる。未来に光の見えない現在の日本で、講談には、芸能には何ができるのか。京子はいっそう真剣に考え、格闘している。 さあ、そこで今回、名古屋のディープな繁華街・商店街である今池と組んで、ハチャメチャな披露興行を企画した。俗に言うドスドスの街・今池では、確かに、既成概念を打ち破ることだらけ。まず、今池ご当地スターのゲスト参加が異様に目を引く。ちまたでもローカルアイドルは流行っているけれど、ここまで濃いローカルスターは他じゃちょっと観られない。 その顔ぶれは、名古屋演劇界のきっての異端児・エレガント浜田に、マイケル・ジャクソンの作品をモチーフに踊る「Micheal Jacson Performance Team D.O.M」、年齢層幅広いチアリーディング「Cheerleader Sailors」、そして韓国伝統芸能の雄・ノリパン。ジャンル不問の面々に、今池限定芸人・今池ヴァイオレットや、ユルキャラ「イマザえもん」まで絡んでいくというから、一体どうなる!?
無論、伝統様式に基づいた真打披露興行の晴れやかさも味わえるのでウレシイ。現在の師・神田陽子に加え、前述の桑原もお目見えして、スペシャルな舞台に花を添える。さらに関係者が揃ってご挨拶をする「口上」も行うとのこと。 「もうせん一枚の上に黒紋付きがズラッと並ぶだけで、きりっとした空気になるし、キレイですよね。それこそが『ハレ』なんですよ」 そして最後に、いちばんのお楽しみ、京子が聴かせてくれる演目を尋ねてみると……。 「トリは『忠臣蔵』になる予定です。時期的にもギリギリですし。これまでは若いという理由でどこか遠慮していたところもあるんですけど、素直に真摯に、自分なりの『これが講談なんです!』というものを、最後にパッとお見せできたらいいなと思っています」 ◎1月24日(土)18:30 名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座) 前売一般3500円 ペアチケット6500円 学生3000円 ※全席自由、当日券は各500円増し。