アングラの息吹と不条理劇の定石が同居する、B級遊撃隊の最新作
劇作家・佃典彦と言えば、名古屋を代表する不条理劇の名手。外部執筆にも多忙な佃が、自身の率いる劇団B級遊撃隊でいつにも増して自由に筆をふるっている。新作「不都合な王子」は、オスカー・ワイルドの童話「幸福な王子」と森昌子の名曲「越冬つばめ」が題材というだけでもユニークなのに、そ...
日本の推理小説の祖・小酒井不木の作品群を、奇才が演劇でコラージュ
同じ名古屋で活躍と言っても、分野も時代も異なる作家ふたりが出会ったら何が起きるのか。ひとりは日本で初めて本格推理小説を書いたとされる小酒井不木、もうひとりは劇団「少年王者舘」を主宰する天野天街。蟹江町出身の不木は大正時代から昭和初期にかけて名古屋で精力的に執筆活動を行い、一...
イスラエルの鬼才振付家ナハリンの映画と舞台が同時期に!
いまや舞踊大国として世界中からダンサーが集まるイスラエルにおいて、牽引役にあるのがオハッド・ナハリンだ。芸術監督を務めてきたバットシェバ舞踊団で作品を発表するだけでなく、パリ・オペラ座バレエ団やネザーランド・ダンス・シアターといったヨーロッパ最高峰のカンパニーにも振付してい...
「百円の恋」の武正晴監督の新作は実話だらけ!?
「百円の恋」で多くの映画賞に輝き、各方面から高い評価を受けた武 正晴が、3年ぶりの新作「リングサイド・ストーリー」を監督した。今回もオリジナル脚本ながら、実は原案となるエピソードが……? 武監督に真相を尋ねた。 「去年の春、プロデューサーの李鳳宇さんから格闘家団体とそこに所...
渡山博崇が奄美大島と向き合ったらハワイがなぜかやってきた……!?
とある地方都市にハワイがやってきた。法律や文化だけでなく気候までもハワイになってしまった町では、人々もハワイアンになるしかなかった――。 ナンセンスだとかシュールな世界を通り越して、もはや「怖ぇよ!」と言うしかない群像劇「ハワイアン」が開幕する。劇作家・演出家の渡山博崇が、...
劇作家協会東海支部とナビロフトが始めた、戯曲への新たなアプローチ
日本劇作家協会東海支部と劇場のナビロフトが新たなイベント「ナビイチリーディング」をスタートさせた。これはリーディングとディスカッションをセットにした、一種の戯曲ワークショップ。協会本部のある東京で2010年に始まった「月いちリーディング」が大阪、神奈川、北九州に広がり、東海...
北村想の門人たちが“聖地”に登場
兵庫県にあるAI・HALL(アイホール/伊丹市立演劇ホール)の劇作家養成講座「伊丹想流私塾(いたみそりゅうしじゅく)」と名古屋市天白区にある劇場「ナビロフト」が手を組み、この9月から新企画「Visitors(ビジターズ)」をスタートさせる。ナビロフトへのビジターズ=来訪者た...
“最強の一人芝居フェス”、2017年は名古屋のナビロフトで開催
一人芝居は、いろんな点でハードルの高い表現だと言われてきた。まず、ひとりの登場人物で成立する戯曲、それを見世物として提示する演出、何より、たったひとりで演じ切る役者の技量が必要になる。さらに興行として集客力の問題も避けられない。そのため一人芝居は、商業演劇のフィールドで有名...
「ダブルミンツ」完成披露上映会に主演の淵上泰史&田中俊介が登場!
漫画家・中村明日美子が描いたボーイズラブの衝撃作「ダブルミンツ」を、「下衆の愛」の内田英治監督が実写映画化。6月3日(土)の公開に先駆けて完成披露上映会が行われ、W主演の淵上泰史と田中俊介が監督とともに登場した。新進俳優の淵上はすでにTVドラマを含む映像作品で活躍中。対して...
関西の新鋭が代表作の雪辱を……!
劇団壱劇屋の活動拠点・大阪府枚方市は、大阪と京都の中間に位置している。だからだろうか、大阪的なエンタテインメント性と京都的な実験性を兼ね備えるカンパニーという印象を受けた。名古屋初登場となった昨年の公演「SQUARE AREA」では、サスペンスタッチの会話劇とダンスやマイム...