“気分”共鳴。石井裕也監督最新作
映画、演劇、美術……、ジャンルを問わず表現者の口から、現代社会に対する苛立ちや焦りの言葉を耳にすることが増えた。「舟を編む」ほかの代表作で知られる石井裕也監督もそのひとりだ。最新作「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」は原作物だが、昨今多い漫画がオリジナルでもなければ、ス...
介護、夫婦、家族の話に愛いっぱい
介護問題は高齢化の進む日本にとって深刻だが、この映画を観るとリアルな現実に怯むだろうか、それとも――。陽信孝(みなみ・のぶたか)の同名著書を原作とする「八重子のハミング」は、若年認知症を患った妻を12年間も介護した著者の奮闘を、生々しくも愛情豊かに浮かび上がらせている。監督...
亡き深津篤史の傑作を、奇妙な絆で結ばれた平塚直隆が初演出
深津篤史が他界して3年が経とうとしている。関西を拠点に桃園会を率いた劇作家・演出家の深津は国内外で活躍。高く評価されながら、2014年7月、享年46で夭逝した。2016年7月には、彼の死を悼む人たちが戯曲集「深津篤史コレクションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を刊行。深津の作品世界を再び広く伝...
三好十郎×刈馬カオス、緊迫対決!?
刈馬演劇設計社を率いる劇作家・演出家の刈馬カオスが充実期を迎えている。2013年初演の「クラッシュ・ワルツ」で第19回劇作家協会新人戯曲賞に輝き、2014年には「誰も死なない」が名古屋市民芸術祭2014特別賞を受賞した。また、昨年は第31回国民文化祭・あいち2016の一環で...
短編5連作の“総収編”って新しい
柳沼昭徳の率いる烏丸ストロークロックと異色の劇団「庭ヶ月」が、五つの短編からなる連作「凪の砦」を再構成。柳沼が加筆・演出して“総収編”とうたい、新たに発表する。同シリーズは烏丸ストロークロックの拠点・京都で上演されてきたが、長編化を機に名古屋・松山公演を敢行。おりしも、柳沼...
女だって観たい!日活ロマンポルノ
2016年11月20日で45周年を迎えた日活ロマンポルノが復活。1988年に製作を終了して以来の新作が公開される。「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」では、国内外で活躍する5人の気鋭、鬼才が完全オリジナル脚本のロマンポルノを監督。その顔ぶれたるや塩田明彦、白石和彌、園子...
北村×鹿目の唄わぬ歌謡エンゲキ!?
70年代から演劇界の第一線で活躍を続ける北村想と、次代の牽引役である劇団あおきりみかんの主宰・鹿目由紀。キャリアは違えど同じ名古屋を拠点としてきた両人が手を組み、新作を発表する。キャストは総合劇集団俳優館の徐梨恵とフリーの空沢しんか、女性ふたりのみ。彼女たちも関係していると...
呆れるも愛しい“男子たち”の群像
「百円の恋」で第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した足立紳が、監督デビューを果たす。足立自身の書き下ろしによる映画「14の夜」は、14歳の中学生・大山タカシを主人公にした物語。時は1987年8月。タカシと部活仲間の多田ミツル、岡田サトシ、竹内剛は、町に1軒だけあるビ...
千種・今池カルチャーに新勢力!?
ちくさ正文館書店やライブハウスTOKUZO、名古屋シネマテークなど、ディープなカルチャースポットが点在する名古屋の千種・今池エリアに新勢力が出現!「喫茶モノコト~空き地~」が10月にオープンした。ちくさ正文館書店の2階を大掛かりに改装。喫茶店だけでなくギャラリー、イベントス...
PFFが今年も名古屋にやってくる
アマチュア映画のコンペティション「PFFアワード」を核とする「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、映画が好きな人にはもちろん自主制作映画に関わる人、あるいは他の表現を志している人にも一度は観てほしい映画祭だ。 古くは石井聰亙(現・石井岳龍)や森田芳光、以降も黒沢清、松...