PFFが今年も名古屋にやってくる
アマチュア映画のコンペティション「PFFアワード」を核とする「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、映画が好きな人にはもちろん自主制作映画に関わる人、あるいは他の表現を志している人にも一度は観てほしい映画祭だ。
古くは石井聰亙(現・石井岳龍)や森田芳光、以降も黒沢清、松岡錠司、風間詩織、園子温、橋口亮輔、塚本普也、矢口史靖、熊切和嘉、李 相日、タナダユキ、石井裕也……と、挙げればキリがないほど多くの監督がPFFを経験。日本映画を支える存在となっていった。そういう優れた才能にイチ早く出会えることはPFFの魅力のひとつだが、それ以上に知ってほしい、感じてほしいのは、作品を生み出す時の異様なエネルギー。自主制作といえどもクオリティは飛躍的に上がっているので、きっと刺激を受けるはず。
9月に東京で第38回PFFアワード各賞が決まった後、京都、神戸を巡回して、11月11日(金)から名古屋で開幕。3日間の開催期間中には、入選した20作品がプログラムを分けて上映される。グランプリを獲得した「食卓」や準グランプリの「花に嵐」など受賞作に注目するもよし、自分好みの1本を探すもよし。お得なフリーパスもあるので、全作品制覇を狙うのもイイ。なお、PFFアワード2016の最終審査員は、映画プロデューサーの遠藤日登思、映画監督の沖田修一、同じく映画監督の荻上直子、編集者の佐渡島庸平、ミュージシャン・アーティストの野田洋次郎の5氏が務めた。
PFFアワード2016 グランプリ受賞「食卓」
PFFアワード2016 準グランプリ受賞「花に嵐」
また、初日16:00からは招待作品部門としてアンドリュー・ヘイの「ウィークエンド」が上映される。ベルリン国際映画祭で主演男優賞・主演女優賞をW受賞した「さざなみ」で知られるヘイ監督だが、先駆ける2011年の「ウィークエンド」は彼が脚光を浴びるきっかけとなった作品で、インディペンデント=自主制作の長編2本目ながら傑作の誉れ高い。しかも日本では未公開というから貴重な機会。さらに嬉しいことに、この回には「ウィークエンド」を推薦した橋口亮輔監督が来場。上映後、トークを行う。PFF出身で「ぐるりのこと。」「恋人たち」などを手掛けた橋口監督が、海外のインディペンデント作品をどう見たか、ヘイ監督に何を感じたのか。話の行方が楽しみだ。
「ウィークエンド」
橋口亮輔
上映時間や受賞作の確認は公式サイト参照。観客投票によって開催地ごとのグランプリも決定するので、「名古屋賞」を贈りたい作品はどれか、自らの感性で選ぶべし!
第38回PFF in 名古屋 ◎11月11日(金)~13日(日) 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA PFFアワード2016 1回券:前売800円 当日一般1000円 当日学生700円 PFFアワード2016 フリーパス(30枚限定・カタログ付):前売5000円 当日6000円 招待作品部門「ウィークエンド」1回券:前売1000円 当日一般1300円 当日学生700円 ※学生券は要証明書。 http://pff.jp/38th/