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亡き女優の遺志を継ぎ、演劇賞創設


名古屋市文化振興事業団では、昨年6月に他界した江崎順子(写真)の名前を冠する「アクテノン記念 江崎演劇賞」を創設した。江崎は劇団・夏蝶の代表として活躍する一方、名古屋市演劇練習館、愛称アクテノンの運営にも開館当初から尽力。当地の演劇文化の発展に貢献した。今回ご遺族から同事業団に1300万円の寄付があり、これを原資として、故人の遺志を受け継ぐべく名古屋市域のさらなる演劇振興を目指すとともに、江崎のアクテノンへの想いを後世にも伝えるため新たな演劇賞が創設された。

賞の対象は名古屋市域で継続的な演劇活動を行う個人または団体で、毎年度、特に貢献のあった1件を選び、賞状及び副賞の賞金30万円を授与する。併せて、翌年度末までに受賞記念公演を行う場合、会場使用料として上限25万円を助成。選考委員は、天野鎮雄(劇座代表、俳優)、麻創けい子(劇作家、演出家)、桐山健一(演劇ジャーナリスト)、坂下孝則(照明家)、はせひろいち(劇団ジャブジャブサーキット代表、劇作家、演出家)が務める。なお、第1回受賞発表と授賞式は2020年3月を予定。

名古屋市生まれの江崎は、名古屋演劇アカデミー(名演会館主催)を経て1984年に劇団・夏蝶を結成。その多くの舞台で、社会や時代と格闘する女性たちを取り上げた。夏蝶の第13回公演「女の庫」(作:麻創けい子、演出:木崎裕次)では平成5年度名古屋市民芸術祭賞を受賞。その時の戦友、麻創が選考委員に入ったのはご縁というものだろう。その後も、夏蝶第17回公演「マンザナ、わが町」(作:井上ひさし、演出:木崎裕次)で平成10年度名古屋市民芸術祭賞、一人芝居「花いちもんめ」(作:宮本研、演出:わらしべ長者)で名古屋演劇ペンクラブ賞を受賞。また、アクテノン運営委員やアクテノン・フェスティバル実行委員、中村区アクターズタウン実行委員なども歴任した。平成30年6月12日逝去。 公益財団法人 名古屋市文化振興事業団 https://www.bunka758.or.jp/

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