松緑ら花形歌舞伎俳優が、お練りで御園座の顔見世をPR

8月26日、尾上松緑をはじめ坂東彦三郎、坂東亀蔵、中村梅枝、中村萬太郎ら花形俳優が名古屋の大須商店街でお練りを実施。10月に開幕する第四十九回吉例顔見世を宣伝するとともに、萬松寺で公演の成功を祈願した。
最高で36度を超す猛暑の中、俳優陣は涼し気な浴衣姿で登場。人力車に乗り込んで萬松寺を出発すると、大須観音通り、仁王門通り、東仁王門通りをめぐって再び萬松寺にゴールした。その後、5人そろってご挨拶。顔見世に向けて抱負を語る。
松緑「みなさま、お久しぶりです。この10月、久しぶりに名古屋にまいります松緑です。御園座は使いやすく大好きでしたので、新しい劇場がどのようになっているのか、とても楽しみにいたしております」 彦三郎「昨年5月に父の名前であった彦三郎を継ぎ、顔見世で襲名後初めて名古屋に来させていただきます。今日撮ってくださった写真はぜひSNSにアップしていただき(笑)、大入りの後押しをよろしくお願いいたします」 亀蔵「顔見世が久しぶりに御園座で行われます。ここにお集まりの方々はもちろんお越しいただけると思いますが(笑)、以前の御園座に来たことのある方も、ない方も、ぜひご来場ください。お待ちしております」 梅枝「今日の顔ぶれで唯一、東京の歌舞伎座に出演中のため、舞台を終えるやいなや駆けつけました。名古屋は新幹線すぐですから(笑)。どうぞ顔見世にも足をお運びください」 萬太郎「今度の顔見世では『連獅子』の仔獅子を初役でつとめさせていただきます。谷底に落とされても、親獅子をつとめる松緑のお兄さんに食らいついていきます!」
御園座が新装開場するまで、名古屋での顔見世興行は金山の日本特殊陶業市民会館に場所を移して開催されてきたため、御園座に帰ってくるのは6年ぶり。俳優陣の言葉にも自然と力がこもる。なお、昼の部は松緑、彦三郎、亀蔵に加え、尾上右近も静御前役で出演する「義経千本桜 鳥居前」ほか。夜の部では、歌舞伎特有の表現“荒事”を女方が見せる、ちょっとめずらしい演目「女暫」などが上演される。
イベントの締めには、信長を銃弾から救った逸話に由来する萬松寺名物「身代わり餅」がまかれ、詰めかけた老若男女を喜ばせた。

身代わり餅まきの様子
第四十九回 吉例顔見世 ◎10月1日(月)~25日(木)まで 【昼の部】(11時開演)「義経千本桜 鳥居前/二人椀久/野晒悟助」 【夜の部】(16時開演)「女暫/連獅子/与話情浮名横櫛」 御園座 S席24000円 A席20000円 B席12000円 C席7000円 ※当日券のみ学生割引あり。ただし、残席がある場合に限る。 http://www.misonoza.co.jp/