シリアの現実を知るトークイベント緊急開催
名演小劇場で公開中のドキュメンタリー映画「ラジオ・コバニ」「ラッカは静かに虐殺されている」の2作品は、イスラム国(IS)の出現によって壮絶さを増したシリア情勢の一端を伝えている。そんな中、いわゆる“アラブの春”以前の1980年代・アサド体制を振り返る「カーキ色の記憶」が急きょ公開されることに。
2017年度山形国際ドキュメンタリー映画祭最優秀賞(山形市長賞)にも輝いた「カーキ色の記憶」は、アルフォーズ・タンジュール監督と4人の語り手の個人的な物語が重なり合っていく作品。当時の圧政とともに、その後のシリア社会をうかがい知ることもできる。
さらに公開を記念して初日、2日目にはトークイベントの緊急開催も決定した。登壇するのはアラブ政治思想・シリア文化の研究者であり中部大学講師、そして「カーキ色の記憶」の日本語字幕を手掛けた岡崎弘樹氏。しかも同作に登場する作家イブラヒーム・サミュエル氏、タンジュール監督が、スカイプを利用して日替わりで参加。質疑応答の時間も予定されているので、シリア人の両人に率直な問いを投げかけることもできる。
「ラジオ・コバニ」「ラッカは静かに虐殺されている」どちらも心穏やかに観られる映画ではないが、今この世界の、目を背けてはいけない現実が焼きつけられていることも強く感じた。悲劇を他人事しない意識が、現代にはいっそう必要だと思う。
「カーキ色の記憶」 ◎5月19日(土)~、名演小劇場にて公開 「カーキ色の記憶」公開記念トークイベント ◎5月19日(土)・20日(日)19:10の回「カーキ色の記憶」上映後 出演:岡崎弘樹氏 ◆5月19日(土) スカイプ出演:イブラヒーム・サミュエル氏(作家) ◆5月20日(日) スカイプ出演:アルフォーズ・タンジュール氏(監督) <関連作品情報> 「ラッカは静かに虐殺されている」 ◎5月25日(金)まで名演小劇場にて公開中 「ラジオ・コバニ」 ◎名演小劇場にて公開中(終了日未定) 名演小劇場公式サイト