4月のオープンに先駆けて御園座の内覧会をレポート
こけら落としを4月に控える御園座は外観が公開されて以降、名古屋・伏見のランドマークとして再び存在感を示し始めたが、去る1月に内覧会が行われ、「本当にいよいよ開場するんだ…」という実感も高まった。そこで、ひと足先に見てきた内部の様子をご紹介!
当日は御園座の小笠原剛代表取締役会長のほかに、タワー全体の監修を手掛けた建築家で東京大学教授の隈研吾氏も来場。新生・御園座の特徴を語った。
隈氏「新しい御園座は都市活性化の核、中心市街再活性化の拠点となることを狙いました。象徴的な赤色、私たちは“御園座レッド”と呼んでいるんですけれど、その御園座レッドが街路にまであふれ、入口のドラマティックな大階段とともに祝祭空間を演出しています。また、なまこ壁をイメージした外観のファザードも通りを賑やかにし、劇場の中から外まで一体感を持たせることで、街を歩いている人も劇場にいるような感覚を味わえる。こういったことは世界の傾向でもあり、私自身ここまで関わることができて建築家冥利です。ストリート文化もさらに元気になって、伏見の個性が立っていくといいですね」
花道にて、左から御園座の小笠原剛代表取締役会長、建築家・東京大学教授の隈研吾氏
全体に白と赤が華やかさを生んでいる新劇場。内観には市松模様や亀甲模様があしらわれ、日本の伝統を感じさせる一方、照明や音響には最先端の技術が駆使されている。
隈氏「伝統と未来への継承は意識しました。これからの名古屋は、文化・伝統・テクノロジーが一体となることで、より世界にアピールできると思います」
客席の様子
客席数は通常で1302席。以前より減ったが、舞台と客席は近づいた。実際、2階席の最後列に座ってみても、かなり見やすい。舞台と花道の「せり」を動かすデモンストレーションでも視界を確認できた。今後はミュージカルやオペラなどの上演も積極的に検討中で、宙乗りやフライングといった演出にも対応可能。新生の言葉がふさわしい御園座となる。
舞台機構のデモンストレーション
寄贈された3張の緞帳のひとつは、杉本健吉《天人奏楽》(杉本美術館蔵)が描かれている
御園座 【名古屋市中区栄一丁目6-14】 http://www.misonoza.co.jp/