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劇団☆新感線の細川展裕氏ご登場


ミッドランドスクエアシネマ2のオープンを記念して、去る7月、ゲキ×シネ『蜉蝣峠』の特別上映とともに劇団☆新感線のエグゼクティブプロデューサー・細川展裕氏のトークショーが行われた。

ゲキ×シネは、日本屈指の人気劇団・新感線が2004年からはじめた舞台公演を映像収録し、映画館で公開しているもの。そのクオリティは舞台の記録映像の次元にはとどまらず、新しいエンターテインメントとして好評を博している。2016年4月からは「ゲキ×シネTIME」と銘打って、毎月1作品を全国で上映する企画もスタート。名古屋ではミッドランドスクエアシネマと名演小劇場の2館で展開されている。細川氏が演劇、そして新感線について語った。

「鴻上尚史さんと幼なじみだったことから演劇の世界に入り、名古屋には鴻上さんが当時率いていた第三舞台の作品『朝日のような夕日をつれて '87』で初めて来ましたね。新感線とは、デーモン小暮さんを客演で呼びたいという相談を受けたことがきっかけとなって95年から関わり始め、今に至っています。だから随分長い付き合いになってしまったので、新感線が普通の芝居かどうかとかは、もう麻痺しちゃってわからないですね(苦笑)」

古田新太や橋本じゅん、高田聖子、粟根まことといった人気&実力を兼ね備えた俳優陣を擁する新感線は、笑いや音楽、アクションの要素が詰まった作風で、他にはない世界を創り上げている。それを実現させているのが、主宰にして演出家・いのうえひでのり。彼は座付作家・中島かずきの台本であろうが、大人計画の宮藤官九郎や劇団グリング(2014年解散)の青木豪ら外部作家の台本であろうが、いのうえ色に染め上げてしまう。

「いのうえは、もらった台本を意地でも“そのまま”やりたいタイプなんですよ。例えば今日上映した『蜉蝣峠』冒頭のシャモリ先輩の場面なんか、あってもなくてもいい(苦笑)。だから書いた宮藤くん自身が『やるんですか!?』って驚いていたほどです(笑)。演じる堤真一くんも最初は『必要なの?』と言っていましたから。冒頭では、勝地涼くんも愛すべきバカなので、堤さんとイイ掛け合いになりましたよね。(ほぼストーリーに影響しない)『石だ、石だ、石をぶつけろ!』と叫ぶシーンを、勝地くんは猛特訓してました(笑)」

生真面目を通り越して、まさにバカ真面目!? しかし、いのうえ一流の美学に共感、心酔する役者は後を絶たず、これまで市川染五郎や天海祐希ほか、日本を代表する俳優が多数出演、ついには芸能界の大御所・北大路欣也までが新感線の舞台に客演してきた。

「北大路さんが黙々とストレッチする姿を見た時は感慨深かったですね。また、稽古で初めてバンドの演奏が入った日、その音の大きさにビックリした北大路さんの顔もおかしくて忘れられません。一方、染五郎さんや天海さん、森山未來くんのように新感線の舞台に3回出た人は“準劇団員”と呼んでいるんですよ」と、細川氏は楽し気に振り返る。

ちなみに、客演の常連・池田成志にいたっては、『蜉蝣峠』の主人公・闇太郎のモデルにもなっているとか、いないとか……?

「いのうえが脚本の宮藤くんに“記憶喪失の男が出てくる『無法松の一生』みたいな話”というイメージを伝えたところ、『闇太郎』という名前の本当にある居酒屋と、そこでいつも酔いつぶれて記憶を失っている成志さんの姿が思い浮かんだそうなんです(笑)」

そして、豪華客演陣にも彩られた新感線の舞台をナマで観たい方には朗報!2017年3月に東京の豊洲にオープンするアジア初の没入型エンターテインメント施設「IHIステージアラウンド東京」こけら落とし公演にて、劇団最高傑作とうたわれる「髑髏城の七人」の1年3カ月にわたるロングラン上演が決定している。あの息吹に触れる前に、まずは映画館に足をお運びあれ!

ゲキ×シネ「ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ」 ◎8月6日(土)~12日(金)、名演小劇場にて上映 ゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」 ◎8月24日(水)、ミッドランドスクエアシネマにて上映 ゲキ×シネ「朧の森に棲む鬼」 ◎9月3日(土)~9日(金)、名演小劇場にて上映 ゲキ×シネ「五右衛門ロック」 ◎9月14日(水)、ミッドランドスクエアシネマにて上映 ゲキ×シネ「蜉蝣峠」 ◎10月1日(土)~7日(金)、名演小劇場にて上映 ゲキ×シネ「SHIROH」 ◎11月12日(土)~18日(金)、名演小劇場にて上映 ゲキ×シネ「髑髏城の七人」 ◎12月17日(土)~23日(金)、名演小劇場にて上映 http://www.geki-cine.jp/

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