参加アーティストの第一弾を発表!あいちトリエンナーレ2016記者会見レポート
3月26日、愛知芸術文化センターにおいて、あいちトリエンナーレ2016の記者会見が行われ、港千尋芸術監督から進捗状況とともに参加アーティストの一部が発表された。 「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」というテーマのもと開催されるこの国際芸術祭は、前回までの会場である愛知芸術文化センター・名古屋市美術館・名古屋市内各所・岡崎市内各所に加え、豊橋市でも開催が決定している。港監督の「豊橋は街並みが魅力的で、駅から歩いていける範囲内に会場候補地が多いんです」という言葉からすると、アクセスは良好の様子。好評の「まちなか展開」がますます充実しそうだ。 そして、気になるのは参加アーティスト。75組ほどを予定している中から、今回は13組が発表された。詳細は以下のとおり。 <現代美術> ◆*キャンディ・ファクトリー・プロジェクト/北九州国際ビエンナーレin愛知 ◆ジョヴァンニ・アンセルモ ◆ニコラス・ガラニン ◆三田村 光土里 ◆西尾 美也 ◆大巻 伸嗣 ◆岡部 昌生 ◆クリス・ワトソン ◆山城 知佳子 <映像プログラム> ◆高嶺 剛 <パフォーミングアーツ> ◆イスラエル・ガルバン ◆小杉 武久 <プロデュースオペラ> ◆モーツァルト作曲「魔笛」(全2幕・ドイツ語上演) 指揮:ガエタノ・デスピノーサ 演出:勅使川原 三郎 参加アーティストの選考については「テーマを実現するにあたって刺激的なアーティストを意識して選んでいます。あいちトリエンナーレは『先進性』をうたっているので、他の国際芸術祭などでよく知られた作家よりは、愛知で知った、愛知でしか出会えなかったと思ってもらえる作家を選ぶこと、それを大事にしています」と港監督。
ワニを録音するクリス・ワトソン Courtesy of the artist 港監督が「世界中を旅して、音を録音しているアーティストです。参考写真には『ワニを録音するクリス・ワトソン』というキャプションがありますけど、ワニの何を録音するんでしょうね(笑)」と紹介したクリス・ワトソンや、伝統的なフラメンコという舞踊に新たな可能性を探るイスラエル・ガルバンなどが、個人的に興味津々。
イスラエル・ガルバン photo: Luis Castilla Fotografia また、国際芸術祭のラインアップとしてはめずらしいオペラも、確かに刺激的。モーツァルトの「魔笛」は比較的上演の多い演目だが、舞踊家・勅使川原三郎の演出となれば、俄然、注目度が高まる。港監督も次のように期待を寄せた。「『魔笛』には、精神の移動というか意識の旅といった感覚があり、音と色彩の問題など多様性が含まれていますよね。モーツァルトの中でも有名な作品ではありますが、あいちトリエンナーレ独自のものにしていかなければならないと考えています。勅使川原さんは、フランスでちょうど創作オペラ『ソラリス』を演出されたばかりなんですけど、現地でも好評のようなので、『魔笛』でも我々を驚かせてくれるのではないかと思っています」。 なお、作家選びのチームを構成するキュレーターとして、ブラジルのサンパウロを拠点とするダニエラ・カストロ、トルコのイスタンブールを拠点とするゼイネップ・オズを迎えたことにも言及。港監督は「現代美術も成熟してきているので、欧米以外にも先進的な人材は増えています。ダニエラ・カストロさんは、ちょうど日本の反対側、南半球から。またゼイネップ・オズさんは、ヨーロッパとアジアを結び、多文化が接触するトルコから来てくれます。アートの現在を伝えるのにふさわしいふたりを招くことができたのは大きいですね」と語り、芸術監督としてのカラーをいっそう明確に打ち出した。
◎2016年8月11日(木・祝)~10月23日(日) 愛知芸術文化センター/名古屋市美術館/名古屋市内のまちなか/豊橋市内/岡崎市内 http://aichitriennale.jp/