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「星のオジさま」っていったい……!?  エレガント浜田インタビュー


東海地区きっての怪優・エレガント浜田が、自身の率いる尾張名古屋セニョールズで新作「エレの惑星」を発表する。「ときめき宇宙ロマンス」と謳ったこの舞台は、サン=テグジュペリの名作を彷彿させる筋立てだが、浜田に言わせれば「星のオジさま」だとか。座長として作・演出も手掛ける当人に話を聞いた。 「今回は綺麗な芝居になりそう。下品さやエロ、毒は少なくて、癒し系(笑)。ほっこりする、愛の物語です」 名古屋のアンダーグラウンドシーンをも支える今池のライブハウス・TOKUZOをベースに活動してきた浜田にしては、のっけから意外な言葉。しかし、続けてこんなことも。 「TOKUZOで公演するということは『大人の観るもの』なわけで、エロスは大事だと思ってやってきましたけど、今回、本編にはエロはないというか、僕のレベルではないというのか……。ただ、衣装レベルではわかりませんけど(笑)」 衣装レベルではって、どういう意味? いずれにせよ、ファンお楽しみの趣向には変わりなしということか。いや、むしろ話を聞けば聞くほど、浜田らしさがほとばしる。 「登場するのは、宇宙ラジオのパーソナリティ。彼は宇宙船の中にあるラジオ放送局で、いろんな星のヒット曲や文化を紹介しながら、同時に基地局を作って放送エリアも拡大している。このパーソナリティを演じるのが、今池ヴァイオレットです。ヴァッティ(=今池ヴァイオレット)は、もともとFMのパーソナリティをやっていたので、ちょうどいいなと」

今池ヴァイオレット

自称「今池限定芸人」こと今池ヴァイオレットは、ローカルスターの極みみたいな人物だが、背格好やキャラクターなど浜田との相性が抜群。浜田も「ヴァッティは役者じゃないのに、舞台に立つと雰囲気を出すからいいよね」と語り、日に日に信頼を深めている。舞台では、そんなヴァイオレット扮するパーソナリティの宇宙船が、宇宙ゴミに衝突。ある星に不時着すると、そこが「エレの惑星」だったという設定で……。 「その星には自然がいっぱいあって、彼は原始人のような人と出会うんですよ。その役を僕が演じます。パーソナリティは最初、助かるために自己紹介したり媚びを売ったりするんですが、やがて『兄弟の契り』を交わすことに。その時、兄弟になるか死ぬか?という選択を迫られるんです」 突然のっぴきならない展開だが、さらに宇宙事典や「エレの本」などが出てくる物語には謎が多く、なにやら寓話めいた様相も。浜田は「ふたりの友情の話」と軽やかに言うが、そこに歌の存在が絡んできたり、孤独ということの意味が立ち上がってくることで、彼の美学や哲学が見え隠れ。エレガント浜田、やっぱり徒ならぬ人だ。 「環境問題というわけじゃないんだけど、ものを作ったはいいが、そのあと捨てては作りの繰り返しはどうなのかなと。星を再生させるのはすごく大変なことだよという想いに、僕の趣味が偏って入った芝居です(苦笑)。でも、観客に考えさせるようなものを作るのはイヤですね。昔話と一緒でね、ストーリーを知っていても楽しめるようなものにしたい」 おかしくて不条理で、どこか哀しい世界に、浜田の真骨頂を感じる舞台となりそうだ。 なお、公演は3部構成。前半に浜田とヴァイオレットそれぞれの出し物があり、後半が「エレの惑星」。本編が終わると、そのまま歌と踊りのショーに突入する。ショーには成長著しいピュアミートボールズこと、わっちょ&もっちゃんも参加。浜田が「ほかっといても何でもできちゃう芸達者」と認めるキュートな巨漢ふたりにも、目を奪われること間違いなし! 尾張名古屋セニョールズ「エレの惑星」 ◎4月29日(水・祝)・30日(木)19:30 TOKUZO 前売2500円 当日2800円 ※飲食代別途必要。

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