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また、あのオトコが帰ってくる…… 清水宏のたたかうコメディー!! 2015


春日井市出身。小劇場ブームの頃から活躍する実力派俳優にして、スタンダップ・コメディを得意とするピン芸人の顔も持つ。舞台では尋常じゃない量の汗を流し、舞台を降りても異様に粘り強い姿勢を崩さない。そして、そのパフォーマンスは観客を否応なしに巻き込み、一人残さず手の内に引きずり込もうとする。そんなオトコ、清水宏がまたも愛知に帰ってきてしまう! 今回も、ライフワークにしているドキュメンタリー・シリーズから、2011年以降ずっとトライを続けているエジンバラ・フェスティバルでの体験記を披露。特に思い出深い2012年のエピソードを練り上げ、ショーに仕立てる。清水に聞いた。 「初めてエジンバラに行ったのは2011年なんですけど、2012年はフル参加できて、やっと中に入れたと実感できた喜びの年。『やれるのかよ!?』ってことがたくさん起きて、『やれるんだぁ』って思えた年でもある。だから、いわば俺とエジンバラの黎明編を観ていただく感じです。今となっては、俺かエジンバラか、どちらかが倒れるまでやってやる!と思ってますからね(笑)」 エジンバラ・フェスティバルは、英スコットランドの首都エジンバラで行われる世界最大級の演劇祭。主催者の招待による公式プログラムもあれば、清水らのように自腹で参加するフリンジという枠もあり、約1ヵ月の期間中、大小合わせて何千もの団体や個人が参加する。それゆえ、興味のある人たちが街中に集まってくるメリットもあるが、互いにしのぎを削る側面も。ましてや英語の壁が立ちはだかっているんだからオソロシイ。 「英語でやること、観客に来てもらえるのかどうかということは、確かに問題でした。実際、観客の少なさにプレイヤーの心が折れて、中止になる公演もありましたし。数百あるコメディハウスから、歯が抜けるように人が消えていくんですよ。だからなのか、主催者からは健康や栄養管理とともに、チラシ配りを怠るなという忠告もあるほどで(苦笑)。ただ、俺ほどチラシをまいたヤツは他にいなかったと自負してます。それから、マスコミにどうアプローチしていいかもわからず、歩いて訪ねていったり……。道場破りのようにね(笑)」

大須の公園にて 現地では、執拗な(!?)チラシ配りのせいで「恐怖のオレンジ」(※トレードマークの衣装に由来)と呼ばれながらも、フェス最終日までゴールしそうなことがわかってくると、本当の意味で注目が集まった。そうして本編のクライマックス、イギリスの権威ある新聞「The Times(タイムズ)」の記者と渡り合う瞬間がやってくる――。 「最後に何か形になるものがほしかったんですよね。大逆転はいい方にも悪い方にも起きますけど、とにかくサプライズ、びっくりするようなことがないと……。そしてそれは、俺自身が本当に引っくり返ってないとダメなんです。そうじゃないと、本当に面白いことにはならない」 清水は「本当に面白いこと」という言葉を何度も口にした。「好みを越えた地点」を求める彼は、この芸人が好きだから、このネタが好きだからウケるといった笑いの図式をぶち破り、たとえ全く清水を知らない人間であっても何か持って帰ってもらえるよう七転八倒する。ただ、そのスタンスゆえに、容易には居場所のない日本に息苦しさを感じ、海外に飛び出したとも言えるのだが……。でも、イギリスだろうと日本だろうと、舞台に立ってしまえば、そこは彼の棲み処。清水の流儀は誰にも止められない。 清水宏のたたかうコメディー!! 2015 ◎2月28日(土)18:00 愛知県芸術劇場小ホール 前売3500円 当日4000円 ※全席指定

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