イスラエルの鬼才率いるカンパニーが愛知に登場!
いま世界で最も熱いダンスシーンとして注目のイスラエルから、オハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団が来日。愛知県芸術劇場に初登場する。芸術監督ナハリンの振付作は、パリ・オペラ座バレエ団やネザーランド・ダンス・シアターなど世界の名立たるカンパニーでも取り上げられており、愛知では昨秋、スペイン国立ダンスカンパニーによって上演された「マイナス16」がナハリン作品として記憶に新しい。舞台と客席の関係が揺らぐ刺激的な趣向でも評判を呼んだ同作。その「マイナス16」を今度は、本家本元のバットシェバ舞踊団が披露してくれるから楽しみ。いや、それどころか、彼らが今回携える「DECADANCE-デカダンス」とは、代表作のハイライトシーンをつないだファン垂涎のステージなのだ。そこで公演に先駆けて、愛知県芸術劇場シニアプロデューサーの唐津絵理氏に話を聞いた。
「もともとはナハリンの芸術監督10周年記念の際に生まれ、その後『デカダンス』は常に演目を更新されています。日本では今回が初上演ですが、今いちばんベストな演目で構成されるはずですし、初めて観る方が『また来たい』と思えるような舞台になることを私も期待しています」
過去の来日公演でも好評だった「Max」など人気レパートリーが入ることも予想され、バットシェバ初体験の愛知勢にとっては絶好のステージとなりそう。すでに日本でも人気カンパニーの座を確立しつつあるが、あらためて彼らの魅力はどこにあるのだろうか。
「コンテンポラリーダンスというと難しくとらえられがちですが、バットシェバ舞踊団は身体のエネルギーをとてもシンプルに見せてくれるので、難しいことがわからなくても理性を越えて楽しめます。また、ナハリンが考案したメソッド〈GAGA(ガガ)〉は、ダンサーだけでなく一般の人にも影響力があって、どこか不自然になっている現代人の身体を解放してくれるようなところがあるんです。このメソッドはもちろん作品と密接なので、彼らのダンスは観客にも“身体への気づき”をもたらすと思いますよ」と唐津氏。
オハッド・ナハリン (C)Nero
ドキュメンタリー番組も制作されたのでご存じの人もいるだろうが、若手実力派の表現者・森山未來は、ダンス留学先としてイスラエルを選んだ。同様に、日本人で今、イスラエルを目指す人は多いという。歴史的に難しい社会情勢を余儀なくされてきたこの国では、非常に厳しい環境下ゆえ今日的表現が生み出されている。言葉がないダンスだからこそ伝わってくる、彼らの葛藤、声なき声にも心を傾けてみてほしい。
*舞台写真=(C)Gadi Dagon
バットシェバ舞踊団「DECADANCE-デカダンス」 ◎10月7日(水)19:00 愛知県芸術劇場大ホール S席8000 円 A席6000 円 B席4000円 C席3000円 学生席(C席・25歳以下)2000 円 ※車椅子席、チャレンジシートあり。詳細は問合せ先まで。 ※3歳以下は入場不可。 http://www.aac.pref.aichi.jp/