落語も!アイドルも!! 春風亭ぴっかり☆名古屋初独演会
二ツ目として修行に励む東京の落語家・春風亭ぴっかり☆が初めての全国ツアーを敢行。名古屋でも初の独演会を開催する。二ツ目が独演会やツアーを行うことは異例だが、ちょっと珍しい経歴の彼女には自然な流れかも!? ぴっかり☆本人に聞いた。
「少しずつでも全国の方々に自分の存在を知っていただきたくて、初めてのツアー公演に挑戦することとなりました。背伸びではあるんですが、自分自身に高いハードルを設けた方がステップアップもできると思うので……」
かつて劇団で活動していた頃、レッスンの一環で、歌舞伎などと並ぶ古典芸能として落語と出会い、衝撃を受けたという。中でも当代きっての売れっ子・春風亭小朝の落語会に足繁く通った末、2006年とうとう小朝に入門。前座名「ぽっぽ」で新たな道へと踏み出した。2011年には二ツ目に昇進して「ぴっかり☆」に改名、着実に落語家人生を歩む一方、2014年には「大人AKBオーディション」に挑戦して最終選考まで進出。同年、コロッケ薫風喜劇公演で舞台女優デビューも果たし、活動は多岐にわたりつつある。
「大人AKBには落ちましたけど、アイドルの道はまだあきらめてないんですよ(笑)! (役者など)いろんなことをする師匠・小朝に対して憧れがありますし、私もいろんなお仕事をしたいと思っています。ただ、生の演技や演芸を見せる“舞台”は特に好きですね。お客様と直接交流できるものが、やっぱり好きなんです」
ひと足早く名古屋を訪れた春風亭ぴっかり☆
明るく軽やかに語っているが、もちろん活動ベースである落語は厳しい世界。入門の頃から「女に落語は難しい」と釘を刺され、実際いまも30人ほどしかいない女性落語家のひとりとして日々奮闘している。それでも2013年には10日間連続独演会を成功させ、ここ近年は毎回2本のネタおろしを行う勉強会も開いてきた。
「女がやるのは無理だと言われるネタも積極的にやってきましたけど、自分としては滑稽噺をいちばんやりたい。でも、軽い噺を明るく伝える(シンプルな)作業は、本当に難しいです。今は技術がない分、お客様に明るい気持ちで帰っていただけるよう、エネルギーをぶつけるしかないと思って高座にあがっています」
100本近い持ちネタの中から、よく掛けるのは40~50本。真打を見据えて大ネタも少しずつ稽古をしているそうだが、思い描く夢は、女流という枕詞がとれて、“ぴっかり☆の落語”と評されるようになることだ。
ちなみに、今回は名古屋駅西側の隠れた名建築・三楽座を会場に選んだ。聞くところによると、笑福亭鶴瓶の紹介なんだとか。風情漂う芝居小屋で、粋な江戸落語の世界を存分に聴かせてほしい。
ぴっかり☆らくご2015サマーツアー ぴっかり☆夏祭り! ◎9月3日(木)19:00 三楽座 自由席(整理番号付)2500円 ◆オフィシャルウェブサイト
「ぴっかり☆倶楽部」 http://pikkari.club/ ◆キョードー東海 http://www.kyodotokai.co.jp/