ニャンと楽しい猫のアート
名古屋市博物館にて「いつだって猫展」が開幕した。浮世絵を中心に“猫”が題材のアートを紹介している本展では、猫好きならずとも楽しくて、思わず笑みがこぼれてしまう。
展覧会は5部構成で、第一章「江戸の暮らしと猫」、第二章「化ける猫」、第三章「人か猫か、猫か人か」、第四章「福を招く猫」、第五章「おもちゃ絵になった猫」という流れ。その全体を通して、浮世絵の歌川派が圧倒的な存在感を見せている。中でも特に、歌川国芳の作品群は圧巻。国芳といえば武者絵を思い起こす人もいるかもしれないが、一方で猫を画題にした浮世絵もたくさん遺しており、しかも洒落っ気たっぷりだから面白い。
また「源氏物語」などの文学や、歌舞伎と関連する作品も多く、様々に知的好奇心をくすぐられるはず。女性と猫の取り合わせは、いま見ても艶っぽいし、歌舞伎俳優を猫に置き換えたシリーズなどは、当時の俳優を知らなくても「こういう人、いるいる」という感じがして、笑えてくるから不思議だ。そして、今も昔も日本人に愛される「招き猫」がずらり並んだコーナーは多種多彩さが楽しく、見ているだけでご利益にあやかれそう!?
個人的には、台詞のような言葉が書き込まれた小林幾英らの作品群に、かなり見入ってしまった。コレ、見始めると最後まで読まずにはいられないのだ。現代における漫画のような感覚。猫が温泉に入ってる絵なんてサイコ―です♪ ここでさらに興味を引かれたのは、建物といった立体を奇妙な形で平面におさめているところ。「あれ? ワンフロアなのかな、2階建て??」と惑わされ、ますます凝視してしまうワケだ。
存分に鑑賞した後は、ミュージアムショップで何を買おうか悩むのも、また楽し。定番の図録は今回、表面の触り心地が抜群なのでハズせないかなと。なお、最後の最後に「人気ニャンキング」を決める投票ボードあり。ここでもまた悩んじゃうんですよね~(苦笑)。
いつだって猫展 ◎4月25日(土)~6月7日(日)、名古屋市博物館にて開催 http://www.museum.city.nagoya.jp/